建物構造4種の特徴を生かした不動産投資物件の選び方

建物構造4種の特徴を生かした不動産投資物件の選び方

 

みなさまは、不動産投資物件の選び方はご存知でしょうか?
今回のコラムでは、建物構造4種の特徴を生かした不動産投資物件の選び方を解説して参ります。

 

構造4種類、知っていますか?

 

不動産投資を行うための建物構造4種類

W造(木造):
主な構造部分に木材を用いてつくられた物件です。木造の法定耐用年数は22年です。日本の気候や風土にマッチし、これまで多くの建物が木造でつくられてきました。現在も小規模アパートなどで採用されています。

S造(鉄骨造):
柱や梁など骨組に鉄骨を使用した構造のこと。Sはスチールの略です。木造の柱がそのまま鉄になったものをイメージしてください。一口に鉄とは言え、人工的に強度を高めたものを使用しているのが特徴です。

RS造:
「RC」とは、“Reinforced Concrete”の略です。 直訳すると、「より強化されたコンクリート」。圧縮力に強いコンクリートに、引っ張る力に強い鉄筋(太さ約1センチ以上の鉄の棒)を埋め込んだ構造です。木造などに比べ、耐久・耐火・耐震・防音性に優れています。
従来は10階建て未満の中低層マンションに多く用いられていましたが、近年では高強度のコンクリートが開発され、高層マンションに用いられるケースも増えています。

SRC造:
「SRC」とは、“Steel Reinforced Concrete”の略です。鉄骨鉄筋コンクリート造。つまり、鉄骨(S)と鉄筋コンクリート(RC)を組み合わせたものです。H形鋼などの頑丈な鉄骨の柱の周りに、鉄筋を組んでコンクリートを施工するため、RC造よりも細い柱や梁で、強度の高い構造物を造ることが可能。高層ビルやタワーマンションなど、大規模な建物に用いられます。
 SRC造の住宅の法定耐用年数は47年とされています。これは、イコール建物の寿命ということではありません。法定耐用年数は、国税庁が建物の減価償却期間として定めたもので、「この年数でほぼ資産価値がなくなるだろう」と見込まれる年数。適切なメンテナンスがされていれば、耐用年数を超えても住み続けることは可能です。

 

木造の特徴、メリットデメリット

 

木造物件で今回紹介するメリットは2つ、建築費用がやすいため、物件の価格も安いこと、法定耐用年数が短いので、1年あたりの減価償却費が大きく節税に有利となります。

具体的に説明すると、小額で購入することができるので、最初の物件のオーナーとして始める場合に選択しやすいかもしれません。

また、減価償却として利用できるので、サラリーマンの副業としても、節税の手段としても有効です。現金を所有するより、資産価値が高く、値段の変動が少ない不動産に変えるという方法で、節税につながるからです。

次にデメリットです。木造は他の構造に比べて、遮音性が劣ります。音が響きやすいため、音楽大学、専門学校の近くなど、地域によっては部屋を借りたい人に敬遠されることもあります。

さらに、木造の法定耐用年数は22年です。RC造やSRC造と比較すると耐用年数が短い点が、木造のデメリットといえるでしょう。しかし「法定耐用年数」とは国税庁が定めた数字で、税金を計算する際の使用期間の目安となります。耐用年数を過ぎたら住めなくなるというものではなく、適切にメンテナンスすることで実質的な耐用年数は延ばすことができます。

その反面、融資が組めるのは基本的に耐用年数までとなり、中古の木造物件はとくにローンを組める期間が短くなるのがデメリットです。

 

S造(鉄骨造)の特徴、メリットデメリット

 

鉄骨造(S造)のメリットは、木造よりも耐火と耐震性に優れています。コスト面では、鉄筋コンクリート造(RC造)や鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)よりも工期が短めで、坪単価当たりの建築費も安く済みます。

重量鉄骨造の共同住宅は「アパート」ではなく「マンション」と表記されるため、入居者を集めやすいのもメリットとなります。さらに、法定耐用年数も34年(鋼材の厚みが4mm以上の場合)と長く、投資物件として長期運用しやすいのがメリットです。

鉄骨造(S造)のデメリットは、鉄骨造(S造)そのものは耐火性があまり高くありません。火や熱に強いイメージのある鉄鋼ですが、実際には熱の上昇と共に鉄骨が柔らかくなり、強度が低下するためです。そのため、屋根・外壁や天井(床)材に耐火性能の高い素材を使うなどして、火災への備えを高めている物件もあります。

 

RC造(鉄筋コンクリート造)の特徴、メリットデメリット

 

RC造のメリットは、主材料のコンクリートは不燃材料のため、非常に高い耐火性があります。賃貸を借りる側も貸す側も、耐火性に優れた部屋に住むのは安心につながります。また圧縮力と引張力を兼ね備えているため、耐久性も高く、地震に耐える物件が多いです。

特にRC造は規模の大きな一棟投資に適しており、さらに、耐用年数が長いため長期にわたって保有ができ、長期のローンが組めるたりする点が最大のメリットです。

その反対に、RC造のデメリットは、法定耐用年数が長いため、1年あたりの原減価償却費は低くなりがちです。さらに、建築コストと解体費用が高く設定されており、維持費や保守点検費用がかさみます。

建築コストと解体費用が高いのと維持費と保守点検費用がかさむのは関係ないと思います。全体的なコストは上がりますが、その分家賃を高く設定しても、RC造は人気のため、コストバランスがとり易いと言えるでしょう。

 

SRC造(鉄筋コンクリート造)の特徴、メリットデメリット

 

SRC造のメリットは耐火性、耐久性、遮音性に優れ、RC造に鉄骨が加わるためさらに高い強度に期待できます。SRC造もRC造と同じく、法定耐用年数は47年です。

中古物件を購入しても投資費用を回収できる可能性が高いのもメリットです。

その反面、建築費用は、RC造と同様に高額です。建築コストを回収するためには、建築計画やキャッシュフローをよく検討する必要があり、分譲マンションも視野に入れつつ、マンションの一室を中古で購入して投資する方法も良いでしょう。

SRC造(鉄筋コンクリート造)の特徴、メリットデメリット

 

建物構造4種の特徴を生かした不動産投資物件の選び方まとめ

 

建物の構造によって、耐用年数は異なります。
耐用年数が違うということは、ローンの借入期間も異なるということです。

また、減価償却により、費用として認識される期間や金額が異なってくることも注意が必要です。

また、収益物件では、一般的に利回りというと表面利回りで表記されることが多いですが、利益を最大化するという点では、 表面利回りではなく実質利回りで考えていく必要があります。同じ表面利回りの物件だとしても、木造と鉄筋コンクリート造の実質利回りは異なってきます。

一般的に、鉄筋コンクリート造の物件は維持をするための経費がかかり、実質利回りが低下する傾向にあります。しかし、安定した家賃収入が見込めるでしょう。投資効率や利益の最大化を考えた場合、木造物件のほうが優れていると言えますが、
基本的に木造の大型物件は少なく、大きな投資を考えている方にとっては不向きであるともいえます。

どの物件を選択するかは、目的や予算によって異なってきますので、一概にこれがよいと断定することはできません。購入検討時の予算と物件ぜひe-homeご相談ください。

  • 石井美沙樹(Misaki Ishii)
    石井美沙樹(Misaki Ishii)

    経営学修士在学(MBA)。高級商材を扱う外資系営業として活躍。ローンの組み方、税金対策、保険商材の知識などを活かして、利回りや予算に合わせた提案を理念に活動中!不動産投資は現在学習中!

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