地面師って何!?判例から学ぶ不動産取引の注意点

地面師って何!?判例から学ぶ不動産取引の注意点

 

大金を扱う不動産取引。そこに目をつけて悪行を働もいるのです。近年、ニュースで「地面師」について報道されることもあり、一般の方でも耳く人にしたことがあるのではないでしょうか。

不動産取引は大きな買い物ですので、絶対に失敗したくないと考える人も多いはず。しかし、そこに目をつけてお金を騙し取ろうとする困った人もいるのが世の中です。

不動産取引において、実際どのような問題が起きているのか、また、どうすれば騙されずに取引できるのかについて解説していきます。

 

地面師とは?

 

地面師とは、不動産取引における詐欺師を指します。土地の所有者になりすまし、土地の売買取引を持ちかけてきます。巧妙に、偽造文書の作成、土地の所有者に無断で登記の移転や書き換えを行ってきます。

不動産を第三者に転売することで、代金を騙し取ったり、借金の担保に入れたりしています。地価高騰で土地の取引が活発だった1990年代のバブルの時代によく見られていましたが、最近になって再び被害が増えてきています。

地面師とは?

地面師とは?

 

地面師の実際どんな被害があるのか?事例に学ぼう!

 

それでは、実際にどのような被害が起きているか気になるところですよね。

有名な事例としては、大手ハウスメーカーの地面師詐欺事件や大手ホテルでの事件が挙げられます。
今回はその2つの事例を見ていきましょう!

 

大手ハウスメーカー地面師詐欺事件

 

この事件については、メディアでも報道されていたため、聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。

大手不動産会社が地面師グループに土地の購入代金として55億円以上を騙し取られてしまいました。
対象となったのは、東京都品川区にあるとある旅館でした。

この物件は不動産業界では、かなりの注目物件であり、多くの投資家が交渉をしていました。
大手ハウスメーカーは所有者と名乗る者に、約600坪の旅館敷地を70億円で購入する売却契約を持ちかけられます。

担当者は印鑑証明書やパスポートなどの偽造された本人確認書類に気づかず契約は進み、手付金を支払ってしまいました。その後、登記できないことで詐欺であることが発覚しました。

 

大手ホテル駐車場事件

 

対象となったのは港区赤坂のビルが立ち並ぶ中にある駐車場スペースで114坪の土地である。
大手ホテルのグループがホテルを建設するのに丁度良い土地であった。

土地所有者の高齢者兄弟を装い取引を持ち掛けてきた地面師グループに12億円程度をだまし取られた。

 

地面師の詐欺手法を知識として知っておこう!

 

では、なぜこのような詐欺が成功してしまったのか。

原因を考えながらその対策について考えていきます。
個人の方が地面師の被害にあうことはほぼないですが知識として知っておけば何かの時に役に立つかも!?

 

地面師は専門家を含めたグループの詐欺師集団!

 

地面師は、犯行をしやすい土地を探す人、計画を立てる人、所有者になりすます人、本人確認書類を偽造する人、弁護士・司法書士など専門的に手続きを進める人など、かなり大きなグループで動いていることがほとんどです。

それぞれがつながっていますので、取引は滞りなく順調に進んでいくでしょう。
大手ハウスメーカーの事例では、数年間人気物件であったにもかかわらず、突然に話が進み契約に持ち込まれました。

あまりにスムーズに取引が進む場合には、少し疑ってみることも必要です。

地面師とは、専門家を含めたグループ

地面師とは、専門家を含めたグループ

 

地面師の手口①買い急がされている

 

地面師は冷静に判断する期間を作らないよう、取引を急かしてくる可能性があります。

「他にも検討している客がいる」「人気の物件で公になるとすぐに買い手が決まってしまう」など言葉巧みに、判断を迫ってきます。

取引が長引けば長引くほど、おかしな点が見えてくるはずです。
取引をあまりにも早く進めようとしてくるようであれば、特に慎重に見極めることが大切です。

 

地面師の手口②所有者が特定しにくい

 

長く放置されている土地や、既に所有者が亡くなっており相続者が誰かわからない土地などは所有者が特定されにくく、地面師が狙いやすい物件となります。

もちろん、土地だけではなく、駐車場やマンションというケースも考えられます。
心配であれば近くの住民に顔写真を見せて確認するのもひとつの方法です。

大手ハウスメーカーの事件では、住民に聞けば、すぐに所有者が詐欺師であると分かったはずであるとも言われています。

 

地面師って何!?判例から学ぶ不動産取引の注意点まとめ

 

今回、不動産業界にしのぶ地面師についてと騙されない対策について解説してきました。

不動産投資をするためには、様々ある物件の中から、優良なものを自身で見つけ買わなければいけません。
今回紹介した事例のように、大手の企業がターゲットとなる場合ほとんどです。

一般の人でも地面師以外の被害になる可能性があります。

その手口や仕組みを理解していない人ほど、気づかないうちに引っ掛かってしまっていたということになりかねません。
安心して取引を行うためにも、自身で知識やスキルを身に付け、信頼できる不動産会社と相談しながら、納得のいく物件探しができると良いですね。

  • 松本有祐(Matsumoto Yusuke)
    松本有祐(Matsumoto Yusuke)

    現役医学生。 医学の勉強に打ち込む傍ら、動画制作チームLetoを立ち上げ、YouTube広告やTikTok動画の編集を行なっている。 趣味は読書であり、様々な書籍から幅広い知識を持ち合わせている。 将来のため学んだ不動産投資について現在執筆中。

関連記事

  1. 不動産投資における利回りの考え方!高利回りと低利回りの比較

    不動産投資における利回りの考え方!高利回りと低利回りの比較

  2. 物件選びで重要なターゲット設定

    不動産投資で選んではいけない物件とは?

  3. 投資用不動産が自分のものになるまでの6つの手順

    投資用不動産が自分のものになるまでの6つの手順

  4. 民泊のはじめ方

    民泊を始めるにあたっての費用とは?

  5. 不動産のコンシェルジュ e-home株式会社

  6. 不動産投資における大家さんの悩み

    不動産投資における大家さんの悩み

PAGE TOP