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■民泊のはじめ方【住宅宿泊事業法】ってなに?
2018年6月15日より住宅宿泊事業法が施行されました。
これにより、今までグレーであった民泊の運営が法律で定められ
法律の下に民泊を運営することになりました。
今までは民泊に関しての届出を提出する先がきまっておりませんでしたが、
住宅宿泊事業法では、各市区町村の保険所を窓口として国土交通省への届出が必要となり
ました。
住宅宿泊事業の届出制度や住宅宿泊管理業・住宅宿泊仲介業の登録制度など一定のルールを定め、健全な民泊サービスの普及を図ります。
本ページでは、住宅宿泊事業法に関係する法令等をまとめています。
住宅宿泊事業等を中心とした住宅宿泊事業法に基づく民泊制度の詳細な情報については『民泊制度ポータルサイト』をご覧ください。国土交通省官公庁HPより引用
■民泊をはじめるための物件選びの方法
民泊をはじめるにあたり、いろいろなことが必要になってきますが、まず最大に重要なこ
とが運営する物件選びです。
現在、市場でも当初、民泊運営をするために購入したが最終的に現行の法律だと民泊運営
が不可能であることがわかり売却に出していたり、賃貸の募集をしている物件を多々見か
けます。
折角民泊運営のために購入したのに民泊の届出ができない…、最初から最悪の結末です。
そして、今回の住宅宿泊事業法で新たに必要になったのが住宅宿泊管理業者への委託です。
不在型の民泊運営の場合こちらが必須となります。
つまり、自分でブッキングからチェックイン・チェックアウトの管理、ベッドメイクや清掃を全て行って、
業者に依頼しないということができなくなりました。
唯一それが可能なのは、自ら住宅宿泊管理業者になることですが、こちらはこちらでかな
り面倒ですのでおすすめしません。
各管理業者によって、申請からお手伝いしてくれるところや、事業者登録完了してからじ
ゃないと相手してくれない業者まで様々です。申請のお手伝いといっても有料ですけどね…。
そしていよいよ申請書面の作成になるわけですが、作成するにあたってもいろいろなこと
が必要になります。
■意外と複雑。市区町村毎に異なる民泊に対する規制内容
また、事業者申請を厄介にしているものの一つに市区町村毎に民泊に対する規制内容が違
うということです。
例えば、中央区は「区内全域で家主不在型は月曜正午~土曜正午は民泊営業禁止」←これ
はもうやるなということですね。
世田谷区・新宿区は住居専用地域では月曜正午~土曜正午は民泊禁止
渋谷区は住居専用地域・文教地区で春/夏/冬の休み以外民泊営業禁止etc.
また、大田区は都内で唯一の特区民泊のため営業上限の180日の縛りがなくなります。
これにより、またさらに民泊運営できない物件が…。
話は戻って申請書面についてですが、雛型は共通です。
これも慣れないとかなり手こずります。できればプロにやってもらったほうがいいかもし
れません。
こちらの作成にあたり、住宅宿泊管理業者の記載と管理委託契約が必要になりますのでお
気お付け下さい。
■知られてないが、住宅宿泊管理業者の記載と管理委託契約が必須
一時期、保健所の民泊を取り扱っている窓口にいくと、住宅宿泊管理業者の記載と管理委
託契約が必須ということを知らずに申請にきて途方に暮れている人を何人も見かけました。
また、消防署の事前相談もこの申請書類に添付必須です。
前もって管轄の消防署に予約をいれて、建物について必要な消防設備を教えてもらいます。
自動火災報知設備や誘導灯や非常用照明、場合によっては屋内消火栓やスプリンクラー等々。
基本的には、書面提出の時までにこのとき指摘された設備を設置し、消防署に届出(正式にはほかの呼び方あり)をしないといけないです。
また、この設備にお金がかかる。先日お手伝いしたお客様で3F建木造住宅で130万円以上でした。
ここが緩和されないとなかなか住宅宿泊事業者登録は増えないと思われます。
ここまでで、申請書類の作成・提出が完了します。
■民泊をはじめる最終段階。住宅宿泊事業者票の作成完了までの期間
個人差はありますが、この作成・提出で1ヶ月くらいはだいたいかかります。
そして、提出書類に不備等がなければ届出の区によって差はありますが、おおむね2週間くらいで登録完了の連絡が保健所から
きます。
その後、住宅宿泊事業者票の作成完了の連絡がきて、それを取りにいって、該当の建物に
その事業者票を貼って、はれて住宅宿泊事業がスタートできます。
文章で書いているだけでも大変ですから、実際にやってみると途方もなく大変です。
ここまでくる途上でどれだけの人が挫折して去っていったか…。
■民泊ははじめるまでが大変だけど、ビジネスチャンス!
2020年のオリンピックに向けて特に東京都内のホテルが不足しており、これ
はかなり深刻です。住宅宿泊事業はホテル不足を解消するにはなくてはならないものです
。
重ねて、ここ数年の外国人旅行者の増加は都内を歩いていても、ものすごく感じます。
それはビジネスチャンスであることは間違いないと思います。
通常、賃貸で貸すのと住宅宿泊事業で貸す収益を比べてみると場合によってかなりの差が
出てきます。
そんな中始まった住宅宿泊事業法ですが、なかなか問題点が明確に認識されず、観光庁や
国土交通省からは管理業者に親切な対応が呼びかけられていますが、一向に良くならない
のが現状です。
東京消防庁の方では少しずつ緩和の流れが出てきているようですが、まだ事業者増加に結
び付く結果は出ていません。
同じく消防関係で、現状、区分所有のマンションでの営業が実質的に不可能というのも住
宅宿泊事業者申請が増えない一因だと思われます。
民泊は近所にあるとうるさい、事件が増える等のマイナスな評判もあるなか
今後、この住宅宿泊事業・民泊運営がどう推移していくか、まだまだ経過観察が必要と思
われます。