不動産投資は他の投資に比べてハイリスクと言われることがあります。しかし不動産投資の中でも投資対象の選択肢は幅が広く、同様に他の投資も選択肢がいろいろあります。
不動産投資がハイリスクかどうかを判断するためには、不動産投資の種類や収益の仕組みについて把握する必要があるでしょう。そこで、不動産投資のパターンや収益の基本的な仕組みや不動産選びの注意点などを解説していきます。
目次
不動産投資のパターン
不動産を含む投資は、投資先ごとにリスクとリターンが異なります。そして、リスクとリターンは概ね比例する傾向があります。リスクとリターンの関係は個々に異なるので投資先の数だけあるのですが、大きく以下の3つに分類される場合が多いでしょう。
- ハイリスクハイリターン
- ミドルリスクミドルリターン
- ローリスクローリターン
リスクとリターンの関係は投資先ごとに異なるので、すべてがいずれかに分類されるわけではありません。以下では、どのような投資先が該当するのかそれぞれご紹介します。
ハイリスクハイリターン
リスクもリターンも高い投資先としては、原野や山林が挙げられます。これらの不動産は、周辺に大きな施設などができれば価格が跳ね上がる可能性があるからです。ただし金額が高い分下落したときの影響も大きいです。
ミドルリスクミドルリターン
リスクもリターンも中間的な投資先としては、地方都市のワンルームマンションなどが挙げられます。空室のリスクはあるものの、人が入れば投資費用に対して収益は多くなるからです。
ローリスクローリターン
リスクもリターンも低い投資先としては、一等地のビルなどが挙げられます。人口が多いため空室のリスクはほとんどありませんが、投資費用も高いので収益性はそれほど高くありません。
不動産投資で収益が発生する仕組み
不動産投資のパターンを紹介しましたが、上でのリターンはざっくりとしたご説明でした。ではそもそもリターンとしてどのような仕組みで収益が発生するのでしょう。
インカムゲイン(家賃収入)
まずはインカムゲインです。インカムゲインがあることは他の投資でも同じですが、不動産投資の場合はインカムゲインが主流という特徴があります。家賃収入など長期的、安定的に入ってくる収入がインカムゲインです。
キャピタルゲイン(売却益)
キャピタルゲインは売却益のことです。不動産を売却するとキャピタルゲインを得られます。不動産投資の主流はインカムゲインですが、短期的に収益を得るためにキャピタルゲイン目的で短期間に不動産を売買するケースもあります。
不動産投資にかかるコスト
不動産投資によってインカムゲインやキャピタルゲインを得られるということでしたが、収益をプラスにするためには当然費用を考慮する必要があります。
事前にどのような費用がかかるのかを把握し、収益の計算を行います。
管理費
不動産を維持するためには、管理費がかかります。管理費の一部を家賃とは別に徴収する場合もありますが、不動産所有者が負担する部分もあります。
管理費の用途は、修繕費、備品代、管理委託費用などです。外部に不動産管理を委託する場合、管理委託費用が大部分を占めるでしょう。
固定資産税
土地や建物などの不動産は固定資産に該当します。そのため、不動産投資を行うと固定資産税がかかります。固定資産税は地方税なので税率は自治体によって異なります。
ただし、ほとんどの自治体では1.4%です。つまり不動産の評価額の1.4%が固定資産税としてかかるということです。評価額は3年に1度自治体が算定します。
都市計画税
住宅を建てるのに大きな制限のない市街化区域の不動産を所有した場合、都市計画税が課されます。都市計画税は自治体によって異なりますが、評価額1,000万円に対して2万1,000円程度が相場です。
地震火災保険
不動産投資では地震火災保険に加入するのが一般的です。自己資金のみで不動産投資を行う場合は地震火災保険の加入は自由なのですが、金融機関から融資を受ける場合は地震火災保険への加入が融資条件になる場合も多いでしょう。
不動産投資のリスク
不動産投資のリスクとリターンは表裏一体なので、当然リスクも考える必要があります。
物件の滅失・毀損
物件の減失・毀損とは、購入した物件がなくなってしまったり壊れてしまったりすることです。大規模災害などによって発生する場合があります。
地震火災保険に加入していればある程度カバーできますが、コストが発生する可能性が高いです。
不動産投資の注意点
不動産投資において、リスクとリターンを考慮する以外の注意点を挙げていきます。
過疎地域を避ける
過疎地域は空室リスクが高いので、避けた方が無難です。明確にニーズがある場合は例外ですが、人口が多い地域に比べると当然空室になる確率は高いです。
空室になると家賃収入が得られないうえに、維持費用がかかります。
家賃収入が低い物件を選ばない
家賃収入は物件の所有者が自由に設定できますが、地域や建物ごとに相場があります。そのため、相場よりも家賃を高く設定すると入居者が集まらないということになります。
言い換えれば、物件によって家賃が概ね決まっているということです。家賃収入が低い物件を選ぶと管理費用や税金で赤字になるか、赤字にならなくても労力に対して収入が低すぎる可能性があります。
情報収集は幅広く
不動産をなんとなく選んだり、少ない情報だけで選んでもうまくいく可能性はあります。しかし、失敗のリスクも高くなります。運ゲームになるということです。
運ではなく確実に収益化するためには、情報収集の幅を広げる必要があるでしょう。物件のことだけでなく、周辺の地域情報、今後の都市計画、周囲の不動産が儲かっているかどうか、などいろいろな観点で情報収集し、根拠を持って不動産投資をするのがおすすめです。
古すぎる物件は避ける
あえて古い物件を購入し、リノベーションやリフォームをしてインカムゲイン、キャピタルゲインを狙う投資戦略もあります。しかし、計画性を持って費用もあらかじめ細かく想定しておかないと、思ったよりも費用が膨らんで結果的に赤字になる、といった場合も多いでしょう。
リスクがあっても不動産投資をするメリット
不動産投資は投資の中では特別ハイリスクというわけではありません。投資全体の中ではむしろリスクは低い方で、また不動産投資の中でも投資対象によってリスクは低いものから高いものまで様々です。とはいえ不動産投資にも当然リスクはあります。ではリスクがあっても不動産投資をするメリットはどのようなものがあるのでしょう。
本業と両立しやすい
不動産投資は他の投資と比較して、短期間での売買が少ないでしょう。一度投資したらインカムゲイン狙いで長期保有するのが一般的でしょう。
状況を見ながら短期間で売買することが少ない分、本業と両立しやすいです。
節税効果がある
不動産投資には節税効果があります。具体的には、所得税、住民税、贈与税、相続税、法人税などの納税額を下げられます。
このようにリスクがあっても不動産投資をするメリットは大いにあります。
不動産投資はハイリスク?収益の仕組みや注意点を解説まとめ
不動産投資は他の投資に比べてハイリスクと言われやすいですが、記事で上げてきたように不動産投資の種類や収益の仕組みについて把握し、不動産投資のパターンや収益の基本的な仕組みや不動産選びの注意点を理解して自分に合った不動産投資をお勧めいたします。
また、プロの意見やアドバイスを求めている方は、e-homeまでご連絡をいただければ幸いです。