投資物件の管理―自分でする?それとも会社に依頼する?

投資物件の管理―自分でする?それとも会社に依頼する?

 

不動産を購入した後、次の悩みは物件の管理方法ではないでしょうか。

 

投資物件の管理って何?

 

物件の管理が適切でないと、空室ばかりで十分な収益を上げられなくなってしまったり、せっかくの物件がぼろぼろになったりして資産価値が下がってしまいます。

不動産投資においては良い不動産を選ぶことと同じくらい、その後の不動産管理は重要です。このコラムでは投資物件の管理方法やその具体的な業務内容についてお話していきます。

少しでも皆さまの不動産投資がより良いものになれば幸いです。

 

物件は誰が管理する?

 

さて、いきなりですが物件は誰が管理すると良いでしょうか。

物件の管理には家主自ら管理する方法(自主管理)と管理会社に委託する方法(委託管理)があります。どちらにもメリットデメリットがありますが、自主管理は不動産経営を本業とされている方に多く、委託管理は副業として不動産投資されている方に多いです。

自主管理の最大のメリットは手取り収入の増加です。委託した場合、手数料として賃料の5~10%を支払いますが、自主管理の場合はこの手数料が発生しません。

しかし、管理には時間や手間、専門の知識・ノウハウがたくさん必要となってくるため、不動産や賃貸の経験が豊富だったり、専従したりしていなければ行うことは容易ではないでしょう。

そのため、多くの方にはプロの管理会社に委託することがおススメです。

プロの管理会社に委託すれば、入居者の募集、内覧、契約、賃料の徴収、入居者のトラブル対応、契約更新、退去時の原状復帰工事の手配、日常清掃、保守管理など全て管理会社が行ってくれます。

委託管理のデメリットは、手数料がかかることです。先に述べたように手数料の相場は賃料の5~10%です。場合によってはさらに追加の支払いが必要になることもあります。

また、管理会社の担当者は一人で複数の物件を担当しており、中にはとても忙しい担当者もいます。そのような担当者では満足のいく管理をしてもらえないかもしれません。

また、管理会社によっても得意な業務が分かれています。

客付け(空室の物件に借主を見つけてくること)メインの会社ならばたくさんの入居者さんを見つけてきてくれますが、入居後の対応や物件の管理が手薄かもしれませんし、管理メインの会社ならば、建物管理や入居者トラブルが得意でも、入居者さんを探してくることは苦手かもしれません。

物件によってどちらのサポートを優先すべきか変わると思いますので、物件に合った管理会社を見つけて委託することが大切です。

物件に合った管理会社を選ぶメリット・デメリット

物件に合った管理会社を選ぶメリット・デメリット

次に、実際に管理会社が行う業務について解説します。業務には仲介業務と管理業務があります。賃貸仲介業務は客付けに関する業務を行います。

管理業務には賃貸管理業務(プロバティマネージメント)と建物維持管理業務(ビルマネジメント)があります。賃貸管理業務では入居者に関する業務を行い、建物維持管理業務では建物の清掃や保守管理を行います。

賃貸管理業務を中心に行う会社を賃貸管理会社といい、建物維持管理業務を中心に行う会社を建物管理会社といいます。

区分所有では建物維持管理会社は選ぶことができず、賃貸管理会社のみ選ぶことができます。建物維持管理会社が賃貸管理業務まで行っていることは少ないです。

次に、それぞれの業務内容について細かく説明していきます。

 

賃貸仲介業務とは?

 

賃貸仲介業務には

  • ・入居者の募集
  • ・ホームページの運営
  • ・内覧の立会
  • ・契約書・重説作成および説明
  • ・契約業務
  • ・入居審査 などがあります。

入居者があまり見つからなければ広告を打ったり、賃料や礼金の見直しなどの空室対策を貸主に提案したり、優良な入居者(賃料を滞納しない、トラブルを引き起こさない)を審査して確保したりします。

これらの業務は貸主と相談しながら進めていきます。また、近年はネットで情報収集して目星をつけてから内見希望にやってくる方が多いため、物件が魅力的に映るような写真や動画を掲載することが多いです。

内見希望者が来た時には、その日の内に内見に行ったり、類似した物件を提案したりと迅速な対応が求められます。

 

賃貸管理業務(プロバティマネージメント)とは?

 

賃貸管理業務には

  • ・賃料等の徴収
  • ・入居者のトラブル対応等
  • ・契約更新業務
  • ・退去時の入居者立会
  • ・原状回復工事の業者等の手配 などがあります。

入居者トラブルには例えば水道のお湯が出ない、電気がつかないといったことがあります。365日24時間すぐに業者を手配できるよう日頃から業者とのパイプ作りも必要です。

また、隣人トラブルの仲介なども行います。よく周囲に迷惑をかけるトラブルメーカーの居住者や家賃の延滞をする居住者が現れた場合にはどのように対応していくか貸主と相談が必要です。

 

建物維持管理業務(ビルマネジメント)とは?

 

建物維持管理業務には

  • ・日常清掃
  • ・設備等保守点検等 があります。

日常的な清掃、定期的に大掛かりな清掃を実施したり、給水排水設備、消防設備、エレベーター、照明器具など共用部分の設備の保守点検をしたりします。また、長期的な修繕工事を計画、実施することで物件の資産価値が落ちないようにします。

建物維持管理業務(ビルマネジメント)とは?

建物維持管理業務(ビルマネジメント)とは?

 

投資物件の管理―自分でする?それとも会社に依頼する?まとめ

 

ここまで不動産管理の業務を紹介してきました。業務内容の多さや24時間365日対応しなければならないことを踏まえるとやはり委託管理がおススメと言えます。

最後に管理会社を選ぶ際にも注意が必要です。

会社によって客付けが得意だったり、トラブル対応が得意だったり、管理が得意だったり様々です。物件ごとの特徴を踏まえ、管理会社を選ばれると良いでしょう。

また、管理の質に不満があったりや管理物件が多すぎて手が回ってなさそうな場合は、しっかりと管理してもらえるよう積極的にコミュニケーションを取ってみましょう。

あるいは複数の管理会社に業務を分担して管理してもらうこともできます。客付け業者、賃貸管理会社、建物管理業者とそれぞれの得意分野で分担して管理してもらうことで良いとこ取りができます。

その場合は賃貸管理会社で相場の賃料付けができるか、募集条件の設定がしっかりできるか等が重要になってきます。また、業務を貸主と管理会社で分担することもあります。

自分で出来る範囲のことをやってしまうのも良いと思います。

管理会社は言わば不動産投資のパートナーです。
責任をもって不動産管理をしてもらえる信頼できる管理会社を探して選びましょう。

  • 松本有祐(Matsumoto Yusuke)
    松本有祐(Matsumoto Yusuke)

    現役医学生。 医学の勉強に打ち込む傍ら、動画制作チームLetoを立ち上げ、YouTube広告やTikTok動画の編集を行なっている。 趣味は読書であり、様々な書籍から幅広い知識を持ち合わせている。 将来のため学んだ不動産投資について現在執筆中。

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